株式会社十六銀行様
株式会社十六銀行様との確かな信頼関係が、「NDF」を成功に導いた。
株式会社十六銀行様では、お客様が抱える、流動性が低く為替変動リスクが大きい通貨の決済リスク低減に向けて新サービス「Non Deliverable Forward(以下、NDF)」の導入を決定。TGIフィナンシャル・ソリューションズ(以下、TGIFS)の「Prélude Enterprise」をベースにNDFの取引システムを実現しました。開発期間約半年というタイトな日程の中、成功へのキーワードは、株式会社十六銀行様とTGIFS間の強い信頼関係でした。
土本 新一 氏
株式会社十六銀行
市場証券部
市場業務管理役
林 雄一郎 氏
株式会社十六銀行
市場証券部市場営業グループ
課長代理
矢野 誉子
株式会社TGIフィナンシャル・
ソリューションズ
ソリューション開発部
収益に直結するNDFは、経営マター。大きな決断がプロジェクトを後押しした。
今回のプロジェクトリーダーは、リスク管理、バックオフィス系を管轄する土本氏とフロント系を管轄する林氏。地方銀行でもまだ2行程度しか導入されていないNDF(Non Deliverable Forward)を、お二人はなぜ導入しようとしたのでしょうか。
土本 銀行がデリバティブ取引を行う場合、管理システムを整備することが重要であり、取引の記帳、時価評価、その後の管理などを統合できる仕組みが必要でした。開発時間を短縮するため、第2、第3フェーズを見据え、まずはDBの構築からスタート。優先順位の高い機能から順次開発を開始しました。
林 NDFは、価格変動リスクが大きい、信用度の低い通貨を対象にした決済をヘッジするための仕組みです。現行の為替水準で予約でき、さらに資金が必要になった場合にも円で補填できますので、相場変動の影響を和らげることができます。海外との恒常的取引があり、輸入債務が常に発生している企業の課題を解決したかったというわけです。
NDFを取り扱うというコンセンサスを得ることから始まったという今回プロジェクト。開発スタートまでの道のりは、想像以上にタフな毎日だったと推測されます。
土本 NDFのシステムを入れるために、ベンダー3社の提案を比較検討。拡張性、会社としての信頼性など総合的に勘案してTGIFSに決定しました。ところが、NDF自体マーケットで馴染みが薄い商品であり、行内のコンセンサスを得るのに苦労しました。NDFは差金決済ということで、ともすると実需に関係なく利益追求型のトレーディングができると連想されやすいこと、またエマージングな通貨を対象通貨にしていることへのリスクにセンシティブになったことがその理由に挙げられます。ですのでシステム開発の稟議に先んじて、NDFを取り扱いたいという稟議をあげることからスタートしました。
林 金融商品取引法の改定に伴い、金融リスク商品を販売するにあたって、業界全体がルールを相当見直していました。NDFも同様で、システムに対して求められる水準が高かった。今は新商品を扱う場合、従来以上に様々な観点から新商品の検証・分析、販売方法等の検討を行うことが求められ、どのようなプロセスや議論を経て決定したかについても、記録に残す必要がありました。そのため、行内に対して様々なプレゼンテーションを行い関連部との協議を行ってきましたし、TGIFSや証券会社との勉強会も何度も行いました。
法律改正もあり、当初検討段階から約1年半。その間は、株式会社十六銀行様との情報交換や勉強会を行い、NDFに関する認識を共有化。この時間が両者の距離をさらに縮めました。
ベストを目指す気持ちが一つになり、打てば響くような信頼関係を構築。
システムは、TGIFSの市場系統合パッケージ「Prélude Enterprise」をベースに、株式会社十六銀行様の要求に合わせて機能を追加。今後のお客様にも対応できるよう、ロジックが選択できるなどフレキシブルな設計になっています。
矢野 今回のNDFは、『Prélude Enterprise』のフロント約定システムの1つであるFXの機能にアドオンする形で新規開発。例えば、時価を算出するロジックも新たに開発しました。一般にゼロからシステムを作る場合、DBやアプリケーションの設計をはじめ、多くの工数が必要となりますが、『Prélude Enterprise』というパッケージをベースにすることで、開発時間を短縮することができました。
土本 開発期間が短い中、ロジックからアプリケーション、帳票、他システム連携まで作るので、本当に大変だったと思います。新しくシステムを作るということで一切妥協しなかった。他社に販売できるものを作りたかったのです。やりがいもあり、楽しいプロジェクトだったと思っています。
林 NDFのフォワードレートはそれぞれの国の国内金利を基にディスカウントファクターや現在価値を算出すれば市場価格が求められるものではないため、リスク管理のためのイールドカーブ構築時には、NDFのフォワードレートから金利を逆算することが妥当なこともあります。こういった点についても、市場での再構築価格に近いプライスが算出でき、必要なリスク管理が行えるよう我々の希望通りに抜本的にロジックを変えて頂きました。先進的な機能を要求し、結果、満足できるシステムが開発できました。相当苦労したと思いますが、よいものを作りたいという意識の共有がお互いにあったと思います。既に成約した例や準備段階の案件も出てきており、投資は十分回収できる見込みです。今後は、この仕組みを他行に販売して頂くことで市場の活性化にも貢献して頂き、TGIFSとしても益々ご発展して頂けると嬉しいですね。
人、企業としての遺伝子が理想のシステムを創り出す。
導入が無事完了し、新たな収益創出に貢献し始めているシステムですが、TGIFSのパフォーマンスをお客様はどう見ているのでしょうか?
土本 TGIFSの評価すべき点は、理解力の高さ、クオンツが優秀なことです。これまでいろいろなベンダーと仕事をしてきましたが、今回は意思疎通がスムーズで本当にやりやすかった。我々のモチベーションをあげるという特筆すべき能力も兼ね備えており、絶大な信頼を置いています。
林 チームワークがよく、社風もよい。良い性格の方ばかりで接していて印象がよかった。新しいものをゼロから作り上げる能力が高く、今後もいろいろな新商品がでてきた際には、ぜひ開発をお願いできればと思っています。
矢野 開発要員はテストを含めると最大時で7名。お客様が厳しく、小手先では対応できないことは認識していました。その反面、新しい商品ですからシステムへの投資効果がわかり、今では、収益に貢献していることを実感しています。特に、NDFが初約定の時には感動しました。
土本 何でも言い合える関係の中で、メンバーが一体となって開発に臨む。2つの企業文化が融合してプロジェクトを進めていくやり方を、部下に引き継いでいきたいと思います。
開発チームの要望に速やかに回答、さまざまなノウハウも提供してくれた株式会社十六銀行様。その姿勢に対して、ベンダーとしてできることは何かを常に考え実行してきたTGIFS。基本スキルだけではなく、人柄や気配り、マインドシェアできる関係と環境が、プロジェクト成功の推進力となったことは言うまでもありません。
株式会社十六銀行 様
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